JazzEssay:第5話【謎の業界用語、ツェーまん】

今日は、強そう?美味しそう?な業界用語「ツェーまん」の話。

「ツェーまん」って聞いた事ありますか?

 

強ぇMan?

マッチョで腕っぷしの強い男子のことなのか?

 

それとも、新発売の肉まん?

中国語っぽいから、中華街で流行っているのでしょうか?

 

はい。どちらも不正解です。笑

 

「ツェーまん」は業界用語で「ある金額」のこと

 

もう10年近く前だと思いますが、ダウンタウンの浜ちゃんが

テレビで使っているのを聞いたことがあります。(「チェーまん」と発音してたけど)

 

恐らく、由来は分かっていなかったと思いますが、意味はその通り使っていました。

 

実は「ツェーまん」は、業界用語で「ある金額」を表しています。

 

そして、正しくはこう書きます。

「C万」

 

そして、意味は「1万」、つまり「一万円」のことなんです。

 

 

「ツェーまん」が「一万円」になる理由

 

一体どういうことなのか、説明しますね。

 

「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」のことを、アルファベットで表すと

 

「C・D・E・F・G・A・B 」になります。

ラが基準の音なので、ドではなく「ラがA」になるのがポイントですね。

 

ジャズを演奏する時の和音=コードの表記でもこれを使っています。

ロックやポップスでも全て同じです。

 

これに順番を付けると、

「1・2・3・4・5・6・7」となります。

 

ちょっと専門的になりますが、

1度・2度・・・というように使います。(正確には完全1度とか、長2度などと使います)

 

したがって、

ツェー = C = 1

 

「ツェーまん」は「1万」、というわけなんです。

 

誰が考えたのか?

 

読み方が「シー」ではなく「ツェー」なのは、

クラシック界で主流のドイツ語読みから来ています。

 

他に、「G」を「ゲー」と読み「ゲーせん=5千円」などと使いますが、

それ以外は「E=イー」などと、主に英語読みをしていることから

ジャズマンの考えたものだと考えて間違いないと思います。

 

これは、ジャズマンの仲間以外に気付かれる事なく、

ギャラの話をするために考案された業界用語なんですよ!

 

ギャラの話だけでなく、

女性の年齢について「あの人、エフじゅう(=F十 = 40歳)らしいよ。全然そうは見えないね!」

なんてこっそり使っている人もいたりします。笑

 

浜ちゃんが「ツェーまん」を知っていた理由

 

しかし、どうして浜ちゃんが使っていたのか?

・・・という話は、昔を知っている諸先輩方に

詳しく話してもらったほうが良さそうですが、

 

例えば、志村けんさんや加藤茶さんなどがいた

「ザ・ドリフターズ」はもともとバンドで、

なんと、あのビートルズの来日公演で前座を務めたことがあります。

(YouTubeで「ザ・ドリフターズ ビートルズ来日公演前座」と検索してみてください。)

 

そして、彼らが憧れた「クレイジーキャッツ」は

「スーダラ節」の植木等さんがいたグループですが

ジャズクラブで演奏時にやっていた音楽コントがうけて人気が出た、

正真正銘のジャズバンドでした。

 

(YouTube「クレイジーキャッツ「シャボン玉ホリデー」」で検索を。

ぜひ冒頭だけでなく、1:00辺りから最後までご覧下さい。お笑いをしながら、この演奏技術は凄いです!)

 

つまり、ジャズとお笑いというのは、昔は密接な関係だった。

 

だから、時代が過ぎて

意味を理解するお笑い芸人がいなくなっても

未だにこの「ジャズ業界用語」が芸能界で使われているのですね。

 

ちなみに、石ちゃんのネタ「まいう」は「うまい」

「シースー」は「寿司」、

「ぱつきんのちゃんねー」は「金髪のねーちゃん」なども有名なところですね。笑

 

こんなのも、テレビ業界だけのものではなく、

ジャズマンは日々面白く使っているものなんですよ。

・・・

今日は、 ツェーまんは強くないし食べられないよって話でした。

皆さんもぜひ使ってみてね。笑

ではまた!!
 

補足 by 渡辺鎌次氏(StudioNaveマスター)

 

昭和20年位の当時の日本のジャズメンは、アメリカの進駐軍の基地での仕事が多かったんです。

まわりは全員アメリカ人。少しの日本語は理解してます。

そういうアメリカ人にわからないように、逆さことばや、ギャラの数え方をしてたんですって。

控室での話題はだいたいギャラの文句や、品の無い話しに決まってますからね。

必然性?があったんですね。

もともとは業界の人にばれない様にバンドマンだけが使っていたそうです。

JazzEssay:第4話【ジャズが分かりにくいのは、ファストフードのせい?】

ジャズって、分かりにくい。」と良く言われます。

私が言うのも変ですが、それ、すごく分かります。w

 

分かりやすい例で言うと

マイルス・デイヴィスの「いつか王子さまが」なんかも、

有名な曲目を取り上げるにも関わらず

まずメロディーをそのまま演奏しないんですからね・・・^^;

 

アドリブだのなんだのにたどり着く前に、

もうまずメロディーが始まった時点で、なんか知ってるのと違う。

それで「なんだ、やっぱり難しい。」

と感じてしまう方が多いのかなと思います。

 

でもこれは、すごくもったいない!!!

 

この「メロディーをそのまま演奏しない」というのは、

ジャズの特徴であるわけで、(独特のリズムとも関係があるんですが)

 

「もとのメロディーは皆知ってるでしょ?

それを私がやるとこうなるよ」っていう、

そこからもう表現が始まっているからなんです。

 

この、「皆知ってるでしょ?」の部分にもポイントがあり、

スタンダード曲自体がアメリカの古いミュージカルや映画のものなので、

特に若い世代の日本人はあまり知らないってことなのですが、

それは仕方がない事として先に進みます。

 

でね。

「分かりづらい」からって敬遠してしまうのはもったいない!

と思うんです。。。

 

例えが悪いかもしれないけど、

ファストフードって「分かりやすい」し、「手に取りやすい」ですよね。

 

でも、仮に、ファストフードばっかり食べて育った人がいたら、

和食の繊細さとか、フレンチの奥深さとか、

多分わからないと思いませんか?

 

そういう味覚が育ってないから。それだけのために。

豊かな味覚を持って

いろいろ美味しいものを楽しめた方が

人生楽しいと、私は思うんだけどなぁ。

 

誤解のないように言っておきたいんですが、

他の音楽ジャンルとか全ての音楽に対して、

否定する気は全くないのですよ!

 

わかりやすい音楽が悪だ、とか、つまらない

と言いたいわけではないのです・・・

 

私はポップスとかロックから音楽始めた人間だし、

今でもやっぱり好きですからね。。。

 

ただ、

「聞き手のあなたにとって、楽しいと感じる音楽の範囲」が広がれば、

<もっと音楽を聴くのが楽しくなるよ!>

って事なんです。

 

そして、その音楽に対する味覚というのは、

もともと持ってる素質ではなく、「育つもの」なんですよ!

 

だから、最初分かりにくいと思っても、

ちょっとでも面白いって感じてくれたなら、

ぜひジャズをいっぱい聴いてほしいのです!

 

ジャズは、ファストフードじゃ味わえない

本当に美味しい音楽だと思うから。

 

ちなみに、

そもそもなんで音楽聴く必要あるの?

って言われたら困っちゃうけど・・・

 

今はスマホとかもあるから

「どこでも趣味の空間が作れる」という、

すごく良い趣味だと思うんですけどね。音楽鑑賞って。。。

 

・・・はい。今日はちょっと偉そうな事書いたかな?^^; 

 

ま、私の今日のお昼はバーガーキングだったんですけどね!

だって食べたかったんだもん。w

これはこれで美味しいですよね、・・・アレ?^^;

JazzEssay:第3話【「投げ銭」ってな〜んだ?】

今日はジャズライヴでよくある「投げ銭(なげせん)

=「チップ制」のお話。

 

    その他のお話はこちらから・・・

    JazzEssay:第1話【ライブが温泉になる?】

    JazzEssay:第2話【アドリブって適当なの?】

 

日本にはそもそもチップという文化がないですから、

海外に行ってタクシーに乗ったら「ヘイ、チップ置いてけよ」なんて言われて

「ハ?!」となった事のある方もいるのでは。

 

<投げ銭の誤解>
 

・・・話がそれましたが、以前某ジャズバーで

「投げ銭=チップ制」ライヴをやったときのエピソードを2つ。

 

①その日は私のピアノの生徒さんが来てくれたのですが、

「先生、投げ銭って

お金入れたら1曲演奏してくれる>ってことなの?」と。

 

さらには、

投げなきゃいけないのか?小銭じゃなきゃいけないのか?

いったいどういうシステムなのか、想像もできなかった」そうな。

 

②またある時、

かなりご機嫌に酔っぱらった男性二人組のお客様が、

割り箸に千円札をはさんで

演奏の真っ最中に

ホイホイと踊りながら

ピアノのところまで手渡しに来た、

という事もありました(笑)。

 

そう、そうですよね・・・わからないですよね。

「投げ銭、チップ制」って言われても・・・^ ^;

 

でもね、上記は、全てこれまた誤解なのでございます。

 
 

<投げ銭って、いつどうやって払えばいいの?>
 

まず「一曲ごと」ではなく、「その夜のステージ全てに対して」のチップとなります。

なので、ステージが終わった時や帰り際で良いのです。

 

たいていはステージの前とか、お店のレジの横とかに専用の入れ物があって、

ミュージシャンやお店の人が「お願いします」とお声がけすることもあります。

 

もちろん、投げなくていいですし、

小銭よりは紙のお金のほうがミュージシャンは喜びます。^ ^

 

5円玉を投げ入れるのは、観光地の水場とかでお願いしたいものです。。。

 
 

<投げ銭の相場って?>
 

チップですから相場というのはありませんが、

ミュージックチャージを取っているお店ではお1人2000~4000円が相場ですので、

最低でも、お客様お1人あたり1000円以上はお願いしたいのが本音です。

 

というのは、ほとんどの場合

【ミュージシャン1人当たりのギャラ=この入れ物に入ったチップ ÷ 人数「だけ」】なのです。

 

ステージの満足度が高い時や、

リクエストしたら応えてくれた!

あるいは、

一緒にお酒とおしゃべりも楽しんでくれて大満足!

なんて時は、ぜひ奮発してあげてくださいね。

 

一万円札をひらりと入れて下さるお客様は、もはや神様に見えます。。。

 

当然ですが、

割り箸にはさんで演奏中のミュージシャンに渡しに行くのはヤメましょう(笑)。

出来る勇気のある方も少ないと思いますが・・・^^;

 
 

・・・さて、今日は「投げ銭」の誤解が解けたかな?

「チップなんて、入れても入れなくてもいいんでしょ。」

なんて言ったら、ミュージシャンが全員敵になりますから、ご注意くださいね(笑)。

JazzEssay:第2話【アドリブって適当なの?】

今日は、ジャズに対する素朴な疑問

「アドリブって適当なの?」

にお答えしたいと思います。

 

その他のお話はこちらから・・・

JazzEssay:第1話【ライブが温泉になる?】

JazzEssay:第3話【「投げ銭」ってな〜んだ?】

 

 

<「アドリブ」に対する誤解>

ジャズにはアドリブと呼ばれる即興演奏がありますが、

「アドリブ」って、どんなイメージですか?

 

テレビや演劇でも、

台本にない事を言うことを「アドリブ」って言いますよね。

 

要は、「決められてないことをその場でやる」って意味なのです。

 

これ、ジャズにおいては、結構誤解されてる事があると思うのです。

 

・・・ジャズに詳しくない方に、こんな事を言われた事があります。

 

「アドリブって、その場でわき上がるパッション

皆がそれぞれに演奏するんでしょう?

それで、よく伴奏を合わせられるよね。」

 

「ジャズって、要はセンスだけなんでしょう?」

 

適当でもいいんですよね?」

 

・・・これ、全て誤解です。^^;

 

<適当でないなら、何をやっているの?>

ジャズのアドリブをあえて一言で言うなら、

変奏曲をその場で作っている」のです。

 

(変奏曲=「きらきら星変奏曲」が有名で、

曲の和声はそのままに、メロディがどんどん展開していく曲のことです。)

 

ジャズでは、

① 始めに、曲のメロディーを演奏します。

 

② 次に、曲のコード進行(和声)に合わせて、

各楽器が<即興で、変奏曲を作るように「アドリブ」をします>。

 

③ 最後に、またメロディーに戻ります。

 

これが、ジャズのアドリブの正体です。

決して、その歌と関係のない場所にすっとんで行く事はありません。w

 

だから、即興でも伴奏できるし、

センスだけでは勿論演奏できないし、

むろん適当では出来ないし、

わざわざそれを学ぶ為のスクールや大学があるわけですね。。。

 

<でも、演奏しない私に、関係ある?>

実は、これがジャズを聴く醍醐味の一つなんです。

 

たとえば同じ「星に願いを」でも、

ある人はこんな演奏をしているし、また別の人は・・・

と、聴き比べる楽しさがあるのです!

 

また、同じミュージシャンが同じ曲を演奏しても、毎回違ってきます。

同じ人のライブに毎日通っても、全く同じ演奏を聴く事はないんです!

 

ジャズは、こういう所が聴き所!

ちょっと玄人的な楽しみ方だったんですね。。。

 

・・・どうですか?

誤解が解けたでしょうか?

 

そして、今までジャズに興味のなかった方にも、

少し身近に感じてもらえたらいいな〜!と思います。^^

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

JazzEssay:第1話【ライブが温泉になる?】

いつもJazzLettersをご覧くださり、ありがとうございます。

 

「JazzEssay」の第1話として、今日は

「そもそもライブに行く意味って何なの?」

っていうお話をしてみたいと思います。

 

その他のお話はこちらから・・・

JazzEssay:第2話【アドリブって適当なの?】

JazzEssay:第3話【「投げ銭」ってな〜んだ?】

 

 

ジャズの醍醐味と言えば、やっぱりライブです。

カフェのBGMで心地よく聴くのも良いですが、

やはり目の前で繰り広げられるジャズライブは、圧巻です。

 

今はスマホだのパソコンだので、たくさん映像も音楽もあるから、

わざわざお金と時間を使ってライブに行く人が少なくなっています。

 

でも、スピーカーから聴こえてくるのは

あくまで録音され、デジタルで再現された音であって、

本物の音の振動ではないのですよね。当たり前だけど。

 

もちろん、目の前で音を出して演奏している

その姿を見ながら聴く、というのも

ライブでなければ体験できない事です。

 

私は子供の頃の記憶で、

イベントとかレストランで生演奏があると

お腹の底から振動が伝わって、

目の前で演奏しているかっこいいお兄さんやお姉さんがいて、

それが単純にワクワクすると感じたのを覚えています。

 

この「何か分からないけど、ワクワクする気持ち」。

それが、ライブの醍醐味。

つまり、わざわざ足を運ぶ意味です。

 

ウンチクはいろいろあれど、結局、それが全てだと思います。

 

大人になったからか、情報の時代になったからかわかりませんが、

メリットとかデメリットを考えて行動する事が、誰しも多くなっていますよね。

 

でもライブや音楽って、本来そういう事を求めて行くものでは無いはずなんです。

 

幾つかのライブに行く中で、

更に興味を持って「いろいろ知りたいな」という方にはたくさんお話したい事があります。

 

ですが、「そもそも出かけて行くメリットって何?」という方には、

まずは幾つかの、いや色んなライブに行って、

<生の音楽>を体感して、ワクワクして欲しいなぁ〜と。そう思うのです。

 

何だろう…例えば温泉とかって、効能もあるけどそのためにっていうよりは、

単純にリラックスしたり、非日常的な楽しみの一つですよね。

 

そんな感じでジャズライブも、皆さんが日常から解放されて、

ただワクワクできる場所になりたいのです。

 

私の主観ですけどね。笑

あと、出来れば温泉より身近になって、頻繁に訪れてくれたら最高だけど。

 

・・・今日は、【ライブが温泉になる?】というお話でした。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。